1.麻黄(まおう)

麻黄は発汗力が非常に強く、節を去るとその作用は甚だしくなる。

麻黄根は、止汗作用があって自汗盗汗の治療薬として浮小麦、牡蛎などと

ともに用いる。節にもまた止汗作用あり。

発汗をさせず麻黄の咳止めの作用だけを用いるときは節を去らず、麻黄根を加えるの

である。感冒門に三拗湯という処方がある。

これは感冒の時に用いる一種の咳止めである。

そして麻黄湯から桂枝を除いた麻黄、杏仁、甘草で三拗湯である。

(これに生姜は加えてある・・・・)

桂麻を組み合わせると発汗作用が強い、従って麻黄湯を用いて発汗させるほど表実でないが

咳を止めるには、麻黄と杏仁を組み合わせて桂枝を除いて咳止めとして用いるために

組み立てたものである。従って麻黄の節を去らずと記してある。

従って、これは麻黄の根節をさらずの誤りである。

表が虚すとすぐに風邪を引く、即ち一寸寒い目に逢うとすぐ水鼻が出る、くしゃみが出る。

こんなとき防風、白朮と合わせて玉弊風散として用いる。

アレルギー性鼻炎、小児ぜんそく、気管支喘息、蕁麻疹等の患者で表虚自汗の者に

麻黄の入った小青竜湯、大青龍湯、麻杏甘石湯などを用いると脱汗をおこし、体が弱り

動けなくなる。この時、古方ではこのタイプの小児ぜんそく、気管支喘息などの表虚自汗の

喘に対して桂枝加厚朴杏仁湯をよく用いる。しかし、桂枝湯に黄耆・防風・白朮を加え、

桂枝湯と玉弊風散の合方の形で用いると非常に良い場合がある。

麻黄と黄耆は、皮膚の水分を除く作用があり、黄耆は主に下半身の水、発汗を止めて

利尿し、麻黄は主に上半身の水で発汗させる点が異なる。しかし、麻黄も石膏を配合すれば

汗を止めて利尿する。黄耆は、脾を補うのは人参に似て、表を実するのは桂枝に似ているといわれ、

桂枝と黄耆を合わせるとよく皮膚の汗を、水腫、知覚異常などを治す。

辛温解表薬
•麻黄は利水作用、発汗解表作用強く、気管支の痙攣を除くため
 咳や喘鳴、水腫のある場合に応用される。

•痙攣性の咳嗽、即ち続けて咳こむ、止まりにくい咳に効果がある。痙攣性の咳嗽は
 中枢性の鎮咳薬だけでは効きにくい。麻黄は気管支の平滑筋の痙攣を制するため
 気管支喘息にも用いられる。このとき甘草を配合するのが良い。

•また、中枢性鎮咳薬の杏仁・半夏とよく併用される。性が温で温める性質があるため、
 寒による咳に細辛・五味子・乾姜・紫蘇子・紫苑と用いる。方剤 小青竜湯・射干麻黄湯 
     
•辛温で発汗解表、宣肺作用があるために外感風寒の咳嗽に用いる。方剤  麻黄湯 三拗湯
 反対に熱の咳(炎症、充血、熱痰のある咳)には石膏・桑白皮・黄芩などの
 消炎作用のある薬物を配合して使用しなければならない。
 方剤 麻杏甘石湯、定喘湯

麻黄に石膏を組み合わせた方剤には越婢湯がある。
金匱要略に「風水、悪風シ、一身悉く腫れ、脈浮、渇セズ、続いて自汗出デ、大熱無キモノ、越婢湯之を主ル」
と載せている。
「悪風スルモノ附子は一枚炮ジテ加フ。風水ニハ朮四両を加フ」と方後にある。
越婢加朮湯は「裏水、范汪ヲ引いて皮水トナス」(風水 古今録験)上述の方後にある風水ニハ朮四両ヲ加フ。
従って風水の誤り。
一身面目黄腫ニハ黄ヲ洪トナス、ソノ脈沈、小便不利ス、故ニ水ヲ病マシム、越婢加朮湯之ヲ主ル。
裏水であろうと皮水であろうと、これはどちらにしてもよいと思うが、一身悉く腫れ、
一身面目黄腫というのは浮腫の病である。
悪風、脈浮、自汗が出て、大熱のないとき越婢湯、 脈沈、小便不利する者は越婢加朮湯とする。
また「裏水ハ越婢加朮湯之を主ル、甘草麻黄湯亦之を主ル」とあるように、浮腫の病で浮腫が主症状、
悪寒発熱、疼痛などの表証が非常に弱い場合は、麻黄、桂枝の配合を用いて発汗せずに、麻黄、石膏、甘草を
配合して、専ら利水して水を除く。
実際の臨床で、浮腫に麻黄、石膏の組み合わせを用いるとき、越婢加朮湯を用いるより
小青竜湯加杏仁石膏のほうがよく効く。

溢飲の病とは、外感病でなく浮腫の病である。石膏は利水の意味であって、清熱の目的でない。
ある時は利水に、ある時は清熱を目的に配合する。
自汗がある場合でも、麻黄は石膏と配合すると発汗するより利水する。

増補能毒には、

大意

麻黄の味は甘辛、性は温、帰経は肺、心、大腸、膀胱系の四系に入る。
傷寒の頭痛や汗をだし、寒邪が肺に入ってしわぶきする者に用いる。
私いわく、この薬は汗を出す第一の薬である。
冬の正傷寒以外に用いることは少ない。尚口傅がある。

毒の大意
本薬は腹中が虚し、皮膚の衰えた人には甚だ嫌う。
私云、正傷寒でない限りは使わない上は本薬が腹中虚や、皮膚が衰えたる人に
対する使用の可否の詮索はする必要はない。但し、古方では冬でなくても使う、
小続命湯に使っている。

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