漢方薬の驚異 第111回 お血(おけつ)の生薬 -10-

16.4.25 ――第111号――
第111号 お血(おけつ)の生薬 -10-

初夏の陽気になりました。
気温の変動の大きい日々です。
体調に気をつけて過ごしましょう。
今回もお血(おけつ)生薬の続きで、今回は赤芍(せきしゃく)です。

●赤芍(せきしゃく)

○基原 ボタン科(Paeoniaceae)

Paeonia lactiflora Pall.シャクヤクの根を乾燥させてもの。

○成分

精油、脂肪油、benzoic acid、 tannin 、paeonalin

○薬理 

1.鎮静、鎮痛

2.抗菌・抗菌スペクトルは牡丹皮と似ている。

3.抗ウィルス

4.冠状動脈拡張

「増補能毒」には、白芍薬、赤芍薬の使い分けあり。
赤は血の方に、白は脾胃を整えるぞ。となっている。

この両者を比較すると、芍薬は補的に作用し、赤芍は
瀉的に作用する。
赤芍は活血おけつを去る作用が強く、白芍は鎮静鎮痛の力が
強く、捕益の作用もある。 
婦人の肝鬱による疼痛や煩躁・打撲による腫脹疼痛には、
赤芍・白芍を併用する。

以前もお話しましたが、
お血とは、漢方治療の中でも特に重要な
漢方の概念で、西洋医学の病態把握にない、
独特の捉え方です。

私の恩師・山本巖先生は、難治性疾患には必ず
「お血」という病態を考えられました。

●「治らない病はお血を考えよ。難治性の病、
慢性疾患のほとんど総てにお血が咬んでからみ
あっている。治らない病、ことに女性はお血の
存在に注意せよ。
だが、お血が単独に存在することは少ない。」

先生の師匠の漢方舎・中島紀一先生も、
日常診療の中の難治性疾患に対して
「血証(お血)を改善する事」を大変重要視された。

●「諸悪は血だ。病、百のうち百まで血で解決する。
 血というものを重視せよ・・・」

現代医学的にみると微小循環不全の状態が
もっともお血に近い病態と考えられています。

大きく捉えると静脈系のうっ血で、動脈系の
うっ血は寒証による血行不良が関与してくると
考えられています。
また、炎症性の充血は熱証に相当しますが、
動脈側の血行の亢進にもかかわらず静脈側の
うっ血が生じる。これも、お血と考えられます。

山本先生はお血に関して、
●「古人がつくった臨床的仮説で、近代医学の
眼が捉える血液の停滞現象との間には大きな
距離がある。」

●「お血とは駆お血剤を与えると改善される
病態である。」という名言を残されました。

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