免疫について 4 - 最近注目されている腸管での免疫のしくみ –

免疫とは、異物の侵入を阻止し、自己と非自己を見分けて、
異物を排除するしくみですが、私たちは毎日異物である食品を
摂取し、それは排除されずに私たちのからだに吸収され、栄養
としてエネルギーとして使われています。
一方、食べ物・飲み物の中にも、異物である細菌・ウィルス
カビなどが少なからず混入していますが、これらの物は吸収されず
排除されます。
このように腸管の免疫は、体に必要な異物は取り込み、害になる
ものは排除するという相反する両面の働きがあるのです。

腸管免疫のしくみを説明して行きます。
腸管には他の臓器と違う特別なしくみがあります。
それは腸管で分化・活性化するTリンパ球と抗体を作るBリンパ球です。

このTリンパ球は、体に必要なものには免疫が働かないように、また
害になるものには免疫が働くようにコントロールしています。
害になる異物を排除するしくみの一つにBリンパ球が作る特殊な
抗体S-IgAがあります。
この抗体は、Tリンパ球の指令でつくられ、腸管の外で害になる
異物の侵入を阻止するために働いているのです。

腸管で分化・活性化されるTリンパ球は、もう一つの重要な働きを
持っていることが確認されています。
それは、自己の変異細胞(老化細胞、ポリープ、がん細胞など)の
処理です。腸管免疫のしくみは、腸管に限定して働いているのではなく
全身の粘膜の免疫にも関係し、粘膜からの害になる異物の侵入を
阻止しています。

(腸管の免疫が正しく働かなくなると・・・)
腸管の免疫が正常に働かなくなり、ある食品に対して免疫反応が
起きると、食物アレルギーを起こすことがあります。
この時下痢が起きるのは、異物排除の一つです。
また、腸疾患(ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎など)の危険が
増加します。
腸管の免疫には、腸内細菌が大きな影響を与えます。
正常な腸内の環境が腸管の免疫を正しく働かせます。
便秘が悪いことはいうまでもありません。

腸管の免疫は、医療の面でも注目されています。
例えば、免疫を抑える作用を利用して「アレルギーの治療」
などは、臨床試験の段階にあります。
今後はますます研究が盛んにおこなわれ、その成果は
医療に応用される事でしょう。
種々の異物に曝される腸管はからだを守る大切な場所であり、
腸管の働きを正常に保つことこそ健康の源といえます。

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