漢方薬の驚異 第17回 補益剤

補益とは、虚証を改善するための処方です。

虚証とは、大きく分けて4つの状態に分けられます。

気虚、陽虚・・・・・陽気の不足 (機能面不足)
血虚、陰虚・・・・・陰液の不足 (物質面不足)

と捉えるとわかりやすいと思います。
本日はその改善薬として補益剤を説明します。

病態に応じて、補気剤・補血剤・気血双補剤・
補陰剤・気陰双補剤・補養剤などに分かれており、
補気剤の代表的処方は、
四君子湯(しくんしとう)です。

人参(にんじん)・白朮(びゃくじゅつ)
茯苓(ぶくりょう)・甘草(かんぞう)四つの生薬が配合されていて

主薬が人参です。

いずれの生薬も体を冷やしたり、熱したり、下したり
発汗したりもなく、ただ体力を補うだけの君子のような薬であるために
四君子湯(しくんしとう)と名ずけられたと言われています。

この処方は、気虚の治療に用います。

気虚の一般症状は、

1.元気がない
2.気力がない
3.疲れやすい
4.無力感
5.動きたがらない
6.口数が少ない
7.声に力がない
8.顔色が白い
などの症状を呈します。

基本的病態は機能低下で、
あらゆる病気で気虚が認められるとき、この四君子湯を処方に
組み込むと良いです。

機能低下を正常にする方剤ですが、特に胃の機能が低下しているとき
服用すると胃がもたれます。
その際は、健胃薬・陳皮(ちんぴ)を入れて異功散(いこうさん)
として服用するともたれが起こりません。

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