漢方薬の驚異 第25回 四物湯(しもつとう)~その1~

今回は、四物湯の中の生薬についてです。
和剤局方という古い文献の四物湯は、
当帰(とうき)、川きゅう(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、
地黄(じおう)という四つの生薬からなります。

この中の生薬、当帰は古来より婦人の聖薬といわれ、月経不順や
生理痛に効があるとされています。

当帰(とうき)

基原植物はトウキ、科名はセリ科、主な成分はLigstilide(精油)など
が含まれています。

成分の中で揮発成分と不揮発成分の中に、
揮発成分・・・・子宮筋肉のけいれんを弛緩させる作用
不揮発成分・・・子宮筋肉を収縮させる作用
のまったく作用の違う物質が見つかっています。

現代薬理学的には、
1.体を温める作用がある。

2.月経異常に用いる。

3.お血を除く作用がある。

4.大便を軟らかくする作用がある。

5.化膿性炎症、潰瘍などに用いる。

奈良県で取れる大和当帰、北海道で取れる北海当帰などがあります。
大和当帰は、味が甘く主に補血作用を重視しています。
北海当帰は、味が辛く野生種が多いため活血作用として利用します。

中国の昔話に、当帰の由来があります。

昔、ある村の女性が病気になり、その夫が家に寄り付かなくなりました。
思い悩んだ女性は、ある薬草を山で見つけて飲んだところ
病気が治り子宝に恵まれたそうです。

「恋しい夫よ、当(まさ)にわが家に帰るべし」と詠い、

これより、この薬草は当帰と呼ばれるようになったそうです。

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