6.自己免疫疾患の種類としくみ
自己免疫疾患には標的抗原と組織障害が1つの臓器に限局している
臓器特異的自己免疫疾患と、
生体に普遍的な細胞の核内成分に対する反応が主体になっていて
傷害が他臓器にわたっている全身性自己免疫疾患
とがあります。
■臓器非特異的自己免疫疾患のメカニズム
この疾患のメカニズムは特定の臓器固有の自己抗原に対して、
成立しているはずの免疫寛容が破綻し、自己抗体がつくられたり、
臓器特異的T細胞が反応したりして起きる。
1.自己免疫性溶血性貧血
抗体と補体による膜傷害作用(溶血)及び抗体によるマクロファージの
貪食作用(赤血球の取り込み)の促進と破壊が貧血へ進む機序である。
自己免疫性溶血性貧血における溶血の様式として考えられているのは、
何らかの原因によって、自己抗体が産生されて赤血球に関連抗原が取り付き
補体も関与して、傷害赤血球となります。血管内溶血が起こり、赤血球から
ヘモグロビン流出が起こる。
また、血管外溶血(マクロファージに取り込まれる)も起こり貪食・崩壊がおこります。
2. 全身性自己免疫疾患のメカニズム
臓器特異的自己免疫疾患と同様の機構で起きているか否かは不明ですが、
細胞に対する自己抗体の産生、T細胞、マクロファージやサイトカインの異常が
あります。
■1.慢性関節リウマチ(RA)
関節は関節包、関節軟骨、滑膜などの組織により作られている。
この滑膜に表面細胞が増加し、リンパ球や好中球が血管周囲への
浸潤、また血管内皮細胞の増加が見られる。
■■2.全身性エリテマトーデス(SLE)
細胞分裂の激しい皮膚の細胞が傷害され頬の両側に紅斑が生じる。
最近は早めに治療が行われるため、全身に症状が現れるのはまれです。
しかし、症状が激しいまま放置すると、自己抗原と抗IgG抗体の免疫複合体
が腎臓に沈着して炎症を持続的に引き起こし腎機能不全まで進展します。
■■■3.糸球体腎炎
溶連菌のような細菌やウィルスが増殖し炎症を起こすと、菌体成分の一部が
血液の中へ入る。その結果、これに対する物質(抗体)がつくられ、抗原と反応し
免疫複合体を形成する。
血液の中の免疫複合体は腎臓へ運ばれ、糸球体の膜にひっかかり、そこで
炎症が起こされ腎炎となる。
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