自己免疫疾患について ④ 遺伝との関係

次に遺伝因子1/4、環境因子3/4と言われていますが、遺伝的な要因について
お話します。特定のHLA(ヒト白血球型抗原)と疾患の相関関係が判ってきました。
HLA=MHC分子

○MHCとは?
細胞内の様々なタンパク質の断片(ペプチド)を細胞表面に提示する働きを
持っています。
(抗原提示)
細胞に感染したウィルスや癌抗原、あるいは抗原提示細胞に貪食された
ペプチドなどがMHC分子に結合して細胞表面に提示され、それがT細胞に
抗原として認識されて免疫応答が始まりウィルスや癌など異物を排除する
方向に働きます。
つまり抗原提示とは、細胞自身がウィルスに感染してますよ。
ガンになってますよ。と提示される様子をさします。

自己反応性のT細胞や自己抗体がHLAに反応することで、特定の
自己免疫疾患につながりやすいことがわかってきました。
「遺伝・家系」発症リスクの相関性が分かっています。

HLAは生まれた時から染色体の中に遺伝子が組み込まれています。
すべて母親と父親の物を引き継いでいます。
遺伝子素因としてMHCクラスⅡ分子がHLA=DR4やHLA=DR1で
ある人は関節リウマチを発症しやすいMHCです。

HLA=DR4やHLA=DR1である人は共通してMHCクラスⅡ分子の
抗原結合部位が関節炎活性抗原と結合しやすいため、ヘルパーT細胞が
活性化しやすく、関節リウマチが発症しやすいと考えられています。

感染症など炎症を引き起こすことは、特に注意が必要です。

遺伝×ストレス×感染×ホルモン異常 = 自己免疫疾患発症の要因と憎悪

次に、女性に自己免疫疾患の多い理由は、エストロゲンが関与している
言われています。

自己反応性T細胞の選択が起こり、Th2からIL4によってB細胞が活性化、
自己抗原に対してエストロゲンホルモンが異常活性化して
自己抗体が作られます。
つまり免疫抑制がかかりにくくなっている状態を作り出します。

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