漢方薬の驚異 第31回 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

 

人間の機能面 「気」 の低下を気虚といい、人間の物質面 「血」 の低下を血虚という事を説明してきた。
そして、血虚を改善する漢方処方は四物湯(当帰、川きゅう、芍薬、地黄)である事をお話した。

今回は気虚と血虚の両方とも改善する場合の処方「十全大補湯」について解説したい。

この処方の構成は、

「四君子湯+四物湯+黄耆+桂皮」です。

四君子湯・・・人参、白朮、茯苓、甘草
四物湯・・・・当帰、川きゅう、芍薬、地黄

この上記八つの生薬で八珍湯(はっちんとう)という。
八珍湯に黄耆と桂皮をあわせたものが気血双補の方剤
「十全大補湯」です。

桂皮、当帰、黄耆は肉芽の増殖を促進して、床ずれ(褥瘡)の際に、
とても有効であり、皮膚がカサカサして萎縮して皮脂分泌の悪い
ときにも良い。
また加齢により体が痩せて、特に大きな筋肉も痩せてくる時に
使用すると体力がつき、元気になる。

脳溢血、脳萎縮、脳血栓などにより片麻痺があり、片一方の
筋肉の萎縮(廃用様性の萎縮)が出てくる時にも使用できます。

高齢化社会に必要な漢方薬であると考えます。

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